今回は印刷の際に使用するインクの色についてです。

その中でもよく使用することがある赤色のインクについて解説します。

赤色は2番目に多く使われている

我々印刷会社で もっとも使われる色は黒(業界では墨)ですが

次に多いのは赤です 真赤は金赤と呼ばれ元色ではマゼンタ100% イエロー100%で表現されます

ガラス工芸の江戸切子で赤を発色させるため金を使用したことから金赤と呼ばれるようになったそうです

赤色のインクと言っても統一されていない

この金赤なかなかくせもので ほとんどのインキメーカーが売り出していますが

本来マゼンタ100イエロー100で統一されなきゃならないのがバラバラです

国内最大手DICでも FG27金赤 FG28金赤 FG29金赤と様々な種類があり到底同色とはいえません

各メーカーを並べてみても色の違いはさまざまです

購入した金赤インキはとりわけイエローが強い傾向があり 朱色に近い印象をうけます

赤鉛筆の色に近いです

多分 元々の金赤は金に近い赤であってマゼンタ100イエロー100とは違う色なのでしょう

赤色のトラブルが多い理由

なぜか金赤=真赤という定義があるため 赤にまつわるトラブルも多いです

お客様から「金赤で」という指示をうけ金赤インキで印刷し「朱赤じゃないか」と言われることも

多々あります

デザイナー 製版 印刷でのとらえ方も まちまちなので赤色を使う場合入念な確認が必要です

今後どこかで区別し統一されねばならない問題でもあると思いますが今現在でも明確な定義はありません

カラー印刷でも赤の表現はなかなか厳しく 調整し色を出しても安定させるのが難しいです

特に赤色はコカ・コーラなど様々な企業や商品のイメージカラーとして使われることが多く

気を使います 赤の色見本は多岐にわたります

思うような赤色にするために

ここまで細分化が進んだのは我々印刷会社の責任でもあると思いますが

多岐にわたる赤見本を使い分けお客様のイメージを見極め理想の赤を表現する

我々の知識 経験を活用しお手伝いさせていただければ幸いです